高騰するホテル料金は妥当なのか?

人手不足だから、需要があるから、海外と比較して安いから、、、いまの大都市圏(特に東京都内)のホテルの販売単価の高騰はいままで経験したことの無い販売単価(ADR)となっている。しかし果たして価値が価格に見合っているホテルがいくつあるのか?
混雑し待ち時間が増え、サービスがおざなりになってしまっては、商品価値自体は大きく低下することになる。

売価に見合った価値の提供がなければ、今は良くてもビジネスとしては継続しない。需要があるからと言って身の丈を超えた価格設定はお得意様や顧客の信頼をなくす。
人手不足なので販売室数を限定して単価をアップさせるというとは理解しているが、同時に提供価値も高める努力が必要だということは言うまでもないことである。

少人数でも満足度を低下させないためにはシステム化などはもちろんだが、個々の能力アップが必須である。そのためにも教育研修(人材育成)の重要性が今まで以上に増してきているのではないか。
会社側の努力はもちろんだが、働く側にも自らの努力(勉強や情報収集など)が求められている。業界全体やそこで働くスタッフの成長のための大きなチャンス到来ではないだろうか。

廃業支援

コロナ禍で疲弊した企業(宿泊施設)では金融機関からの借入を返済できず廃業するホテルや旅館が増えることになることが予想される。もちろん後継者不足も大きな課題だが、将来的に必要な大型設備投資などを考えると事業継続の意欲が失われるのも理解できる。
どうしたら最も良い形で廃業または譲渡できるか、金融機関もオーナーも傷を少なく、働くスタッフにとっても良い形で事業を終える(または譲渡)ことができるのか、そういった依頼が増えることが予想されます。

利益率改善のための人材育成と労働生産性の改善


人手不足が著しいホテル業界で少人数でも生産性を向上させるために「仕組みの見直し」と「人材育成のための教育研修」が重要である。要するに利益率改善のための構造改革や組織改革をすることである。また資金繰りさえ可能であれば、利益を生み出すためにも人材への投資は積極的に検討するべきである。

◇以下は、弊社がクライアントに対してコロナ禍における業務改革(効率化=生産性改善)の考え方を示した一例である。この考え方はコロナ禍が一つのきっかけとなったが、平時においても必要なことであり、ホテルのバリューアップにおいては常に必要な取組となる。

「やらなくてもよいこと」「業務の簡素化」「業務の軽減」「システム化の推進」を探し出すこと。少人数でのホテル運営を可能とするためには「総労働時間の短縮」という考えが重要となる。同時に個々のスタッフの生産性をアップさせるために教育研修なども実施する必要もある。

◇以下の考え方を参考にして現場スタッフとともに検討すること。
 いままで1時間かかっていた業務を40分間で行うためには?
 5人で行っていた業務を4人で行うためには?
 今までのやり方が当たり前と思っていたことが本当に必要なのか?
 料理の提供方法や接客方法を簡素化できないか?
 電話応対を減らすためには何が必要か?
 会計業務や集計業務をシステム化したら業務量は軽減できないか?
 作成している資料は本当に必要なのか?
 部門で重複している業務はないか?
 勤務時間や営業時間などに無駄はないか?
 売上や需要に見合った人員配置になっているか?
 外注していた業務を内製化できないか?

人手不足よりも人材不足

外資系ラグジュアリーホテルが続々と開業しています。
人手不足のホテル業界で求人にはかなり苦労しているようですが、そもそも一気にラグジュアリーホテルが開業して頭数はそろったとしても「人材」がいるのだろうか?
そう簡単に1泊10万円、20万円~の価値を提供できるのか?
インバウンド富裕層にとっては日本人の金銭感覚とはかなり違うことは理解していますが、それにしても金額の価値を理解しているスタッフがどの程度いるのかも疑問です。
有名な外資系ブランドのネームバリューに価値があって、そこにお金を払っているような部分も往々にしてあるのではないでしょうか。ブランド(看板)に依存するだけではなく自らの努力や勉強も必要です。常にインプットし続けましょう!

高単価政策って、提供価値が見合っていますか?

コロナ禍が落ち着いたいま大きな問題は「人手不足」「給与の改定」「仕入れコストの上昇」「エネルギーコストの上昇」などですが、それらの負担増を高単価販売で吸収する動きがかなり活発に行われているようです。
特に東京都内のホテルの販売価格は半年前と比較すると2倍程度になっているようです。日によっては3倍程度の日も珍しくありません。本当にこれで良いのでしょうか?
価値が変わらないのに「需要が有るから」「人手不足だから」「他の国に比べて安価だから」そんな理由で販売価格を変動させていると、自らの首を絞めることになります。
高く販売するのであればそれなりの価値の提供を真剣に考える必要が有ると思います。勿論、スタッフ自身のスキルアップはもとより、経営者の努力などは言うまでも無いことです。もう一度「価格と価値」ということを考える必要が有ります。

起業や転職は運とタイミング

友人や後輩から起業したい、転職したい、という相談を受けることがあります。
いつ行動を起こすか大切なことはタイミングです。家族のいる方は生活の基盤も大切です。
起業する場合は今までは会社という大きな看板が守ってくれていましたが、1人になった時に本当に人がついてくるか、仕事がついてくるか、前のめりすぎても慎重すぎてもダメ、少しだけ俯瞰して自分の実力や回りの情勢を見極めることが大切です。
私の場合は何となく流れで会社を設立したら、出会う人たちが応援してくれたことはラッキーですが、それは時代的な背景も見方になったと思います。運やタイミングや巡りあわせがピタッと合うと起業も転職もうまくいくものです。弊社の場合は景気にあまり左右されないことです。景気の悪いときは再生案件、景気がよくなると人材教育と新規開業、さらには収益力とCSの強化、その時その時に会わせて仕事の依頼をいただきます。でも今回のコロナ禍出はさすがに大きなダメージを受けましたが、これも運とタイミングと巡りあわせもあり、なんとかコロナ禍の苦境を抜け出しました。2022年夏以降はかなり忙しい日々を過ごすことができています。来期も経営的な見込みもある程度たちましたが、既に視線は再来年を見ています。
「運」に恵まれることが最大の成功の秘けつであり、運を引寄せるのが努力とタイミングが重要です。また努力が運を引き寄せ、仲間とクライアントを引き寄せてくれます。

ホテルの価格改定と給与アップ

九州の某ホテルにて価格改定の妥当性と数値的根拠のレクチャーと議論をしました。
食材原価、リネン費、エネルギーコストは20〜30%アップ、アルバイトやパートの時給アップ、一方では人手不足と宴会需要の激減。
経費の高騰分をどこで吸収するのか、更なる経費の見直しはもとより、スタッフの生産性アップのための教育研修やサービススタンダードの見直し等、自助努力は当然ですが、いまやそれだけでは利益確保は難しい状況。コロナ禍で何度も見直したオペレーションですが再度見直しです。
そしてただ単なる値上をするのではなく付加価値のアップをしつつ自信をもって料金改定をする、そしてスタッフやお客様にもしっかりと還元する、給与をアップし仕事にプライドを持つ。ということで会議参加メンバー全員で共有できました。

【宿泊業界(ホテル&旅館)の人手不足(離職)解消のために?】


結局は給与水準が低すぎることが大きな原因となっている。
職場環境ややり甲斐なども大切だがそれにしても給料が安すぎる。
「結婚するけど給料が安くて生活出来ないので転職したい」
「会社や仕事は好きだけど子供のために転職したい」と相談されるケースがある。

その都度情けなく残念で仕方がない。

ある調査によると全産業で宿泊業の所得水準はほぼ最下位とのこと、それではいくら理想論や正論を言っても問題は解決しない。
所得が低いので社会的地位まで低く見られてしまう。
要するに「利益(儲け)」を増やしスタッフに還元するしかない。

競争力のあるホテルであれば販売価格を上げることも可能かもしれない。
しかし多くのホテルの実態は近隣との競争に勝つためには、いまだに価格を安くして集客することを考えている。周辺と横並びが安全と考えている。

利益を増やす方法としては「生産性」を高めることが重要であることは言うまでもない。日本のサービス業は世界と比較して生産性が低いと言われている。

無料のサービスを提供することが付加価値と言われ、
価値ある商品を安価に販売することが競争力と言われてきたが、価値には相応の対価が発生するべきである。


また効率という意味では、10人でやっていた仕事を高いスキルで7人でできれば、60分かかっていた仕事を効率的に30分でできれば生産性が向上して利益貢献ができるはず。

その為には「スキル、知識、仕組み、情報」が必要となる。もちろんシステム化や業務の断捨離や顧客満足度を下げないことが前提となる。そしてファンを作り「選ばれるホテル」になること。

従業員も経営者も自らが勉強することも欠かせない。
弊社にも生産性改善や効率化のための問い合わせが増えてきている。
経営者はスタッフやお客様に「愛情」を持って経営にのぞんでいただきたい。
スタッフは「プライド」を持てるよう自らを高めていただきたい。
愛情とプライドは大切なモチベーションです。

面接担当者のセンスを磨く

某空港内にあるワインバーでの経験、
女性スタッフは前回座った席もオーダーしたワインもオツマミも覚えていました。
彼女の出勤の日に私が訪れたのは3回目ですが、1回目、2回目に座った席まで覚えています。


今の仕事の前は生命保険の営業をしていたとのこと。
顧客を作るのは場所も料理も価格も大切ですが、やはり「人」ということです。
いつもは2杯のところ4杯飲んで気分よくフライトです。
よいスタッフがいる店舗は売上が上がり、更には口コミで客が増える。

スタッフを育てるのは教育も大切ですが、入社時の面接担当者のセンスも重要です。面接担当者のセンスを研くことが企業の発展には必要ということですね。
皆さんの会社はいかがですか?

20年目の補強


コロナ禍で疲弊した宿泊産業をサポートするために、弊社では人材を補強してあらゆるニーズに対応できる体制構築をしています。
特に新規開業・リノベーション・リブランドなどに関しては経験豊富なスタッフ2名をヘッドハンティングしました。レストラン部門も優秀なパートナーを迎い入れました。
進出立地のマーケット調査から、フィージビリティスタディ、運営コンセプト策定やサービススタンダード構築など開業までのほぼ全てのノウハウを提供が可能です。
勿論、既存施設の収益改善、人材育成、運営改善などもさらに充実させています。失われた2年半にしないため、次のステップに進みます。